植物油脂とはサラダ油のこと?私達が毎日食べている【見えない油】


このお菓子とかスイーツによく使われている植物油脂ってどういうもの?サラダ油のこと?
原材料欄をチェックするようになると、添加物ではなくてもよくわからない原材料がいっぱい…。植物油脂もそのひとつですよね。
サラダ油は植物油脂の一種であり、似ているようで意味合いが違います。
サラダ油として販売するには、使ってもよい油の原材料に決まりがあります。
植物油脂と表示される油は実に17種以上!
『植物油脂』と簡略化された原材料欄では、どの油が使われているか確認できない(見えない油である)ことも多々あります。
参考までに、日本人がよく消費している油の種類も調べてみました。
これを知っていると、植物油脂と書かれている油が何の油なのか大体わかりますよ。
植物油脂とは

植物油脂とは、文字通り『植物が原料の油』です。

植物性なら特に悪くなさそうと思って気にしてなかったけど…?
しかし…『植物油脂』の4文字には、原材料欄の簡略化のために、それはたくさんの種類の油がひとくくりにされています。
具体的にはこちら
日本農林規格の植物油脂
日本農林規格(JAS)で定められた、食用植物油脂にはこれだけの種類の油が適用されます。
食用植物油
Edible vegetable oils and fatsこの規格は,食用サフラワー油,食用ぶどう油,食用大豆油,食用ひまわり油,食用とうもろこし油,食用綿実油, 食用ごま油,食用なたね油,食用こめ油,食用落花生油,食用オリーブ油,食用パーム油,食用パームオレイン,食用 パームステアリン,食用パーム核油,食用やし油,食用調合油及び香味食用油の品質について規定する。
出典:農林水産省ウェブサイト(https://www.maff.go.jp/j/jas/jas_standard/attach/pdf/index-386.pdf)

わー、こんなに!?
なんか知らない油もいっぱいある!

私もいまいちピンとこなかったものを調べました↓
綿実(めんじつ)油は、コットンの原料となる綿花のふわふわを取り除いた種の部分を搾った油です。
サフラワー油は、紅花オイルのことですね。ヤシ油はココナッツオイル、ぶどう油はグレープシードオイルともいいます。
調合油はこれらの油を何種かブレンドした油です。
香味食用油はネギ油とかハーブオイルとかラー油のことです。
その他の植物油脂
マーガリンやファットスプレッドやショートニングは、植物油を原料にした加工品で『加工油脂』と言います。(+動物性原料が使われるものもあります)
これらは植物油脂と呼ばれることもありますが、加工食品に使われた場合原材料欄には『植物油脂』ではなくそれぞれ『ショートニング』と表示されます。
日本農林規格ではありませんが、以下の油も植物油脂です
- アマニ油(フラックスシードオイル)
- えごま油
他にも食用ではない美容オイルを含めると様々な植物油があります。
サラダ油とは


サラダ油は植物油脂じゃないの?

もちろん植物油脂です!でも使える原料は定められていますよ
サラダ油は日本でうまれた油
「サラダに合わせる用のサラサラとした油」として大正時代に開発されました。
油の放置しておくと固まる成分を取り除いており、そのほとんどが精製度が高くクセがありません。
ある程度食べても重たくないので、油を大量に使う揚げ物には皆さんもよく利用されますよね。

私もかつては基本はサラダ油、料理によってごま油とオリーブオイルをたまに。という使い方でした
サラダ油の原料
サラダ油として売り出すにはは、以下の原料が使えます
油菜(なたね)、綿実、大豆、ごま、サフラワー(紅花)、ひまわり、とうもろこし、米、ぶどう
ですが大量生産、安価を極めた結果、基本的にはなたね(キャノーラ)油か大豆油の製品がほとんどです。
両方を混合した製品や、キャノーラ油としてスーパーに並んでいますよ。
「食材への油の吸収を抑える」「油ハネが少ない」みたいな製品の中には乳化剤入りのものも。(乳化油脂)

添加物入りがあるの?油の原材料なんて見てないよ〜

原材料もですが…遺伝子組み換えに関する表示などがあるかチェックすることもおすすめします!
なたね油など(キャノーラ含む)、「遺伝子組み換えではない」旨の表示がなければほとんどは遺伝子組み換え原料を使っています。
見える油と見えない油

せっかく植物油脂に疑問を持ってくれた皆さんにもう一点だけお話させてください。
油は、『見える油』『見えない油』という呼ばれ方をすることがあります。
見える油と見えない油とは?
『見える油』はこちら
- 台所の油
- 調味料としての油
まず、明らかに見える油は皆さんが台所で使う用の油ですね。
調味料としては、マーガリン、バター、マヨネーズなんかも、ほとんど油です。
『見えない油』はこちら
- 食材に含まれる天然の油
- 加工食品・菓子類の油
- 外食やお惣菜の揚げ油など
食材に含まれる天然の油とは、穀類・豆類・肉・魚・乳製品に含まれる油(脂)です。
ごま、大豆、肉の脂身、生クリームなど…
特に魚はオメガ3という体内では作れない脂肪酸が含まれいますので積極的に摂りたいですね。
今まさにお話している『植物油脂』はまさに見えない油。加工食品によく含まれています。
簡単に調理の惣菜の素、インスタント麺やポテチの揚げ油、〇〇オレ・〇〇ラテ、コンビニスイーツのホイップクリームなど…
見えない油は日常に溢れています。
美容や健康のために、脂肪酸に注目して油に気をつけている人は注意してくださいね。
日本人が一番口にしている油は?
なんとなくわかるかと思いますが、普通に暮らしていたらこの『見えない油』の方が多く摂取している可能性が高いです。

クイズです!日本で1番消費されている油は何でしょう?

やっぱりキャノーラじゃない?
正解です!なたね油が1位。ですが2位のパーム油も、負けないぐらい多いです。3位が大豆油です。
パーム油なんて口にしてない!と思っていますが、日本ではこんなに消費しているんですね。
そしてそのほとんどの原料は海外依存(輸入)しています。
ただ、米油に関しては7割ほど自国でまかなえています。

国産のなたね油は結構いい値段しますので、私はメインの油に国産の米油を使っています!
今現在(2025年)は、米不足・米高騰と騒がれていますので、今後輸入原料の米油の割合は増えてくるかもしれません…。
クズ米・古米も危ぶまれる中ですが、遺伝子組み換えリスクがない、国産の米油やなたね油などを使って日本の生産を後押し・応援したいですね。
まとめ

- 植物が原料の油のこと
- 原材料欄に『植物油脂』とまとめられる油の種類は17種以上
- えごま油・アマニ油も植物油脂
- サラダ油とは、植物油脂の一種であり似ているようで意味合いが違う
- 油菜(なたね)、綿実、大豆、ごま、サフラワー(紅花)、ひまわり、とうもろこし、米、ぶどうが原料として使える
- スーパーで売られているサラダ油は、ほとんどがなたね(キャノーラ)油・大豆油・混合されているもの
前までの私は、見える油はあたり前のようにサラダ油を買っていたし、見えない油は完全に眼中になく、何も知らずに口にしてきました。
見えない油の心配点は、見えないがゆえに1日の必要量以上に摂りすぎてしまうことや、遺伝子組み換え原料が使われているのか確認ができないことです。
そして日本人も散々お世話になっているパーム油は、需要があり売れるため、原料であるアブラヤシの生産地の熱帯雨林がどんどん開墾されています。
それは環境破壊、動物たちのすみかがなくなることにもつながっています。
できるだけ、持続可能な農業によって作られた原料の油を使うことは、みんな(地球・動物・人)に優しい選択になります。
そんな『油の選び方』の記事はまたいずれ書きたいと思っています!
最後までお読みいただきありがとうございました。