遺伝子組み換え食品のデメリットとは?人間や環境に優しくない要素も…
皆さんは『遺伝子組み換え食品』と聞いて、どんなイメージですか?
わざわざ食品の裏面に『遺伝子組み換えでない』とか書くぐらいだし、なんか身体に悪そう…。
よく知らないからこそデメリットがあるのでは?とイメージする方も多いですよね。
実際に、遺伝子組み換えの作物や、その原材料を使った食品は健康被害につながる可能性がある…という説も。
厚生労働省も「たくさん検査しているから大丈夫」とは言うものの、長期的な安全性はまだわかりません。
では、なぜこの遺伝子組み換えという技術が開発されたか知っていますか?
それは人間都合の様々なメリットがあるからなのです。
まずはデメリット・メリット両方の理解を深め、納得して食品を選択しましょう!
遺伝子組み換え食品のデメリットとは?
遺伝子組み換え食品のデメリットは大きくまとめると二つあります。
人間側へのデメリットと、環境へのデメリットです。
長期的な安全性は不明なこと
遺伝子組み換え食品は1996年ごろから加工食品として店頭に並び始めたといわれています。
1996年から売られ始めたということは、人間が遺伝子組み換え食品を食べ始めて、まだ30年もたっていないということです。
- 我々ママはちょうど食べて育っていった世代
-
そして私たちの親世代も、まだネットがそんなに普及しておらず、情報もまともに得られずの状態で食卓に並べていたことでしょう。
遺伝子組み換えの原材料を使用している・いないの表記は、消費者や自治体の声掛けで徐々に義務化されていきました。
ルールがなかった最初4年ほどは、なんの表示のない状態で売られていたのです。
よく聞くガンとか大きな病気だけではなく、何となく体がだるい~とか、アトピー体質とか発達障害児増加の原因が…。
「もしかしたら遺伝子組み換え食品のせいかもしれない」と考えても不思議ではないですよね。
私たちが大きくなっていく間に、どんな新しいことが始まったのか?を考えると、体調不良の原因が見えてくるかも…。
お客様も、「今後わからないこと、不確かなこと」が一番怖いと考え、遺伝子組み換え食品を避けている方が多いです。
自然界の生態系を壊しかねないこと
遺伝子組み換え作物の中には、作物みずからが殺虫作用がある殺虫作物もあります。
食べた青虫が死んでしまうのです。その青虫を食べている鳥の食料も減ることになります。
他にも、風による受粉で、遺伝子組み換え作物の畑とそうでない作物の畑から『意図しない作物』が交配されてできてしまったり。
「遺伝子組み換え作物」と「それに似た科の雑草」同士で遺伝子情報が移行し、病気にも害虫にも強い『最強の雑草』が生まれてしまったり。
生産地では最強の雑草が増えつつあり、おかげで撒く除草剤は結局増えているとか…
遺伝子組み換えによって作られた強い遺伝子の作物が、特定の昆虫や植物の種(しゅ)を減らすかもしれません…。
(イメージとしては外来種が日本の在来種を絶滅の危機に追いやる感じ…。)
このまま遺伝子組み換え作物、食品を作り続けてもいいのでしょうか…。と思ってしまいませんか?
ここまで、想像通りのマイナスイメージなデメリットをご紹介しましたが、はたしてどういったメリットがあるのかも見てみましょう。
遺伝子組み換え食品のメリットデメリット比較表
それではどういったメリットがあって遺伝子組み換え食品を開発し続けているのでしょうか?
人間側、環境面の二つの側面でのメリットとデメリットを簡単に表にまとめてみました。
人間への | 環境への | |
---|---|---|
メリット | ・食品の価格が下がる ・農家さんの省力化 ・品種改良より早く狙った作物が作れる ・増える世界人口への食糧供給 | ・環境への負荷減 しいて言えば特定の農薬使用量が少し減らせる |
デメリット | ・健康被害につながる可能性がある | ・自然界の生態系を壊しかねないこと |
メリットは人間都合多め
上記の表を見ながら、まずはメリットについて簡単に解説していきます!
食品の価格が下がる
遺伝子組み換えにより、『強い』作物ができます。虫にも病気にも強いので、当然収穫量も増えます。
収穫量が増えれば、生み出すコストも低いので価格も下がります。その遺伝子組み換え作物で食品を作れば、コストダウンができます。
農家さんの省力化
作業が楽になることで、農家さんの担い手を増やすことにもつながるかもしれません。
- なぜ楽になるの?
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作物の栄養を高めたり、大きくするには除草の作業が重要です。手で抜くのは大変ですし、耕運機で燃料を使って耕して除去するとお金がかかりますよね。
普通の作物に除草剤がかかると、もちろん枯れたり弱ります。これを遺伝子組み換えにより、除草剤に耐えられる作物も生み出せます。
ある程度の急な気候変動にも対応できる作物なため、管理が少し楽になります。
狙った作物を品種改良より早く作れる
なんか似てるけど、品種改良との違いってなんだろう?
- 品種改良とは?
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品種改良は遺伝子組み換えとは違い、ある程度自然の摂理にのっとって違う品種を作り出す方法です。
例えば大豆を、『甘い大豆』と『粒の大きな大豆』を掛け合わせて、『甘くて大きな大豆』を目標にして品種改良していくとします。
その二種を交配して、出来のいい大豆をまた掛け合わせて、何世代にもわたり何度も何度も繰り返します。
普通、大豆が収穫できるまでもちろん数カ月かかりますし、目指す『甘くて大きな大豆』ができるまで交配を繰り返すことで何年もかかります。
遺伝子を組み替えることで、品種改良にかかる膨大な時間をすっ飛ばして、より効率的に作ることができます。
増える世界人口への食糧供給
日本はぐんぐん少子化が進んでいますが、世界的に見ると人口は増加傾向にあります。
- 当然人口が増えれば、食べるものはたくさん必要
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2024年現在の人口82億人から、2080年代半ばには103億人に達するという見込みがあるのです!
しかし今ある自然環境を切り開いて農地を増やすのは得策ではありません…。
そこで食糧問題を解決する策のひとつとして、今ある農地の収穫量を増やすということからも遺伝子組み換え作物が開発されています。
また、量もさながら飢餓に苦しむ世界の地域の人々のために、ビタミンなどの栄養価を格段に高めた作物も作られていますよ。
環境へのメリットはほぼなし!?
後で説明しますが、遺伝子組み換えによる環境への影響は、正直デメリットのほうが多いように感じます。
しいて言えば強くなった作物により、除草剤を減らすことができたり耕運機を余計に動かさずに済むのでCO2の排出量が減ったりはするでしょう。
しかし最強の雑草が徐々に登場していることもあり、結局除草剤の量は増えている話も。
人間が勝手に遺伝子操作をして、自然環境が思い通りになるなんて、そんな甘くないですよね。
必ずどこかにしわ寄せが来るはずです。
デメリットは人間にも環境にも負担が多め
ここからはデメリットについてです。
作る人と環境への負担
遺伝子組み換え作物を作る農家さんや周辺住民への健康被害も報告されています。
- どんな健康被害?
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この問題は、どちらかというと遺伝子組み換え作物に使う農薬から起こる二次被害です。
除草剤に強い品種だからと、除草剤を飛行機で広範囲に空中散布します。ドローンではありません。飛行機です。
除草剤が土壌から地下水を汚染し、生活用水として使用する地域では不妊や流産や死産やガンなど様々な健康疾患が増えているそうです。
食べた人への負担
しつこいですが遺伝子組み換え食品は「長期的な目で見て、私たち消費者の健康面にどんな影響を与えていくのかがわからない」状況です。
たとえば、専門機関がこう言っていたとします。
『殺虫性のある遺伝子組み換え作物だけど、その成分は人間や家畜の体では分解されるし吸収されないし安全です』
あ、そうなんですね!なら安心!って…手放しで思えますか?(笑)
『アレルギーを引き起こす遺伝子組み換え作物も試験中にできたけど、もちろんそれは取りやめたから問題ありません』
けど、それが手違いで消費者までたどりついてしまったりすることがあるかもしれませんよね。
作業する人間にしろ機械にしろ、「絶対にない」が言い切れるでしょうか?
これらのことを考えると、遺伝子組み換え食品は避けて通れるものなら避けるべきです。
しかし、家畜のえさや養殖のサーモンにまで遺伝子組み換え飼料が使われたりしています。
今日買った豚肉は、遺伝子組み換え飼料を毎日たっぷり食べている豚ちゃんかもしれません。
食品添加物も遺伝子組み換え作物から作られていることが多いです。
こんな間接的な摂取となるともう、『見えない』ので避けるのは難しくなりますよね…。
遺伝子組み換え食品は安全なの?
うーん、確かにそう思っていたんですけどね~…。
現在では遺伝子組み換えについて、学校の社会科や家庭科の授業でふれることもあるようですね。
しかしどちらかというと「世界・農業の役に立っているんだよ~」という良い書き方が多いんです。
なので色々自分で調べないとわからないだろうし、アンチの民がそう思うのもわかります。
安全かどうか不安になる要素はいくつかあり、その解決方法ももちろんあります。
そもそも作り出し方がコワい!!
遺伝子組み換え食品とは、『他の生物』から取り出した遺伝子を、作物の遺伝子に入れ替え、それにより新しい特性をつけた食品のことです。
気づかれたでしょうか…。組み替える遺伝子は植物同士だけじゃないんです。
動物の遺伝子とかも植物に取り入れるわけです。
初めて聞いた時は私もびっくりしました!もう明らかに品種改良とは違いますよね。
厚生労働省は「何度も様々な観点から検査をしています。安全ですよ。」というけれど…。
コロナワクチンなどのことからも最近は政府のことが信じられなくなりつつあります。
日本での遺伝子組み換え原料の扱いは?
簡単にいうと、
- 日本で遺伝子組み換え作物を作るのは禁止
- 特定の数種類の遺伝子組み換え原料や添加物は輸入OK
というルールになっています。
- ルールを詳しく見る
-
①の遺伝子組み換え作物を作るのは禁止についてですが、正確にいうと『青いバラ』のみ許されています。
(遺伝子組み換え作物は日本では作られないのか…。安心した~。)
と思いきや、
②特定の数種類の遺伝子組み換え原料、添加物については輸入OKなんです。
作物なら代表的なもので、大豆・じゃがいも・なたね・とうもろこし・わた・てんさい などがあります。
添加物ひとつひとつを遺伝子組み換え食品から作られているか確認するのは残念ながら難しいのですが・・・
せめて、大豆でいえば豆腐や揚げや醤油などのように、これらを主原料とする食品を選ぶ時だけでも注意すれば少し安心ですよね。
遺伝子組み換え原料を使っていないかを具体的にどうやって確かめるの?
遺伝子組み換え原料を使っている場合は、食品パッケージへの表示が義務化されているよ!
原材料欄の見かたを次でご紹介します!
遺伝子組み換え表示制度を使って選ぼう
まず最初に。輸入が認められた遺伝子組み換え原料9品目に関してだけ、この「遺伝子組み換え表示制度」はあります。
そして、遺伝子組み換え原料である
- 大豆
- とうもろこし
- ばれいしょ
- アルファルファ
- てんさい
- パパイヤ
を、実際に使った食品には、『遺伝子組み換え』の表示が義務です。
※ ただし、全体の重量の5%未満であれば表示義務はありません…。
遺伝子組み換え原料として輸入が認められていて、表示義務がないものは
- なたね
- 綿実
- からしな
この3つです。
上記の9品目で、遺伝子組み換え原料を使っていないのであれば、書いても書かなくてもよいという任意表示となります。
わかりにくいんだけど??
ではまず豆腐を例にして選んでみましょう!
実践例:遺伝子組み換えに気を付けて豆腐買う
まずパッケージ裏面の【原材料名】のところ。
大豆の後には、原料原産地名が()に入ってきますよ。
大豆(国産)なら、国産の遺伝子組み換え大豆は存在しないのでOK。
大豆(アメリカ産)なら、遺伝子組み換え大豆使用の場合は表示しなければならないので、表示なし=遺伝子組み換えではないということ。なのでOK。
大豆(アメリカ産・遺伝子組み換え)ならNG。ちょっと他の豆腐の原材料も見て考えてほしいところ…。
見たけど…「遺伝子組み換えでない」「分別生産流通管理済」だとか表示の仕方がいろいろあってわかんない!
先ほどもお伝えしましたが、遺伝子組み換えにマイナスイメージのある消費者は多いです。
遺伝子組み換えの大豆を使っていないということは、そんな消費者により安心感を与えることができるため、企業的には表示した方がプラスになります。
- 任意表示における、ややこしい単語と意味合いはこちら
-
たとえば…
- 分別流通管理済み
- 遺伝子組換えの混入を防ぐため分別
→分けて管理していて、意図しない混入は5%以内に抑えている
- 遺伝子組み換えでない
- 非遺伝子組み換え
→分けて管理をしていて、遺伝子組み換えの原料は不検出と認められたもの
ちなみに、はっきり完全に遺伝子組み換え原料は使っていないと断言する表示については、証明書類が要るんです。
この任意表示については、原材料欄の外に書いてあることもあります。探してみてね。
※ ちなみに、『有機』や『オーガニック』であれば、外国産でも遺伝子組み換えなことはありませんのでご安心を!
まとめ
- 遺伝子組み換え食品とは、『他の生物』から取り出した遺伝子を、作物の遺伝子と入れ替え、それにより新しい特性をつけた食品のこと
- 遺伝子組み換えの作物や、その原材料を使った食品に対して、長期的な安全性の保障はない
- 長期的な世界の食糧問題や農業の負担減などの観点でのメリットも多いが、健康被害の可能性や自然界の生態系を壊すというデメリットもある
- 輸入OKの指定品目(大豆・じゃがいも・なたね・とうもろこし・わた・てんさいなど)が主な原材料の食品だけでも注意する
- 日本で遺伝子組み換え作物を作るのは禁止なので、国産であれば心配は少ない
- 遺伝子組み換え食品を使用していれば、主な原材料の後に(遺伝子組み換え)の表示がある
- 遺伝子組み換えを避けたい時は、『分別流通管理済』『遺伝子組み換えでない』などの表示を食品のパッケージを見て探そう
- 『有機』や『オーガニック』であれば、外国産でも遺伝子組み換えなことはない
遺伝子組み換え食品は、作り出す方法が不自然ですし、健康面での安全性が不明なこともあり、デメリットも多く私なら避けたい食品のひとつです。
しかし、世界規模でこれから起こりうる問題を補う、SDGsの達成に貢献するひとつの方法として存在することは事実です。
健康面で不安だから避けたいのはもちろんですが、
自分で納得できる食品選びをするために、メリット、デメリットを理解し、知識を得ていくのはこれからはもっと必要です。
大事なご家族を守るためにも、一緒に食について考えていきましょう!