【塩の選び方】無添加の塩ってある?ミネラルの多いおすすめ塩4つ


家族や子供のためにも体に優しい塩を選びたい!
『塩』と言っても、製法や産地や形状もさまざま。何でこんなに高いの?って塩もありますよね。
無添加生活を始める第一歩として、まずは良質な調味料をそろえよう!をおすすめしていますが『無添加の塩』ってあるんでしょうか?

塩そのものは無添加ですし、有機の塩も存在しません!
身体に優しい塩は、ミネラルが多く含まれている『自然塩』と呼ばれる塩がおすすめです。
しかし、無添加・自然塩・天然塩などの文言はパッケージに書いてありません。

じゃあどうやって見分ければいいの?
皆さんがいい塩を見分けられるように、この記事は以下のことをご紹介します。
- 自然塩の選び方・見分け方
- 価格に左右されない塩の選び方
- 選び方に迷った時におすすめの塩4つ
忙しい方は、目次から『おすすめ』と『まとめ』だけでも見ていってくださいね!
【塩の選び方】無添加の塩ってなに?


無添加の塩って…どういうことなんでしょうか??

え…こっちが聞いているんですけど…
なんでも「無添加を選びましょう」とか言いますけど、塩そのものって、基本的に無添加です。
ではこの「無添加の塩」ってどこからきたのでしょうか?
塩は基本的に無添加
塩そのものは基本的には無添加ですが、まれに固着防止剤と呼ばれる添加物が使用されていることがあります。
日本の塩で使われる固着防止剤は炭酸マグネシウムがメジャーです。塩をどんな容器で保存しても、固まるのを防ぐ役割があります。
また、食卓に置いておくような『味付き塩』にはアミノ酸などのうま味調味料が添加されていることがあります。

この辺が『添加物のある塩』って認識でしょうね
日々使う塩は、添加されたうま味(アミノ酸)ではなく、ぜひ海のエネルギーが凝縮された旨み(にがり成分)がたっぷりの天然塩を使いませんか?
あやしい塩に注意
化学の話になりますが、塩は無機物です。

したがって、『有機の塩』や『オーガニックソルト』というものは存在しません。
オーガニックなんて言っていますが、JASマークもつくわけ無いですし、こういう塩があったらもはや逆にあやしいです。
こういった消費者に誤解を招くような表示をせず、公正な選択できるように、塩公正マークというものがありますよ。

もちろんメーカーが会員になるのが前提なので、全部が全部「塩公正マークがついてないからやばい塩だ!」という訳ではないですよ!
パッケージに、「随分高いのに栄養成分表示すらない」「天然塩だから健康・美容・ダイエットにいい塩です」…みたいな塩には、塩公正マークは付けられません。
そういった塩は自分でHPなどを確認し、本当にその価値があるのか?を、一旦考えた方がいいかもしれませんね。
価格は『ミネラルの量』よりも、『手間とコスト』から高くなることのほうが多いです。
おすすめの製法は天日や平釜や噴霧乾燥
塩公正マークがついている塩は、「天然塩」「自然塩」などとパッケージに書くのは基本的に禁じられています。

え!じゃあどうやって体に優しい塩を選んだらいいの?
海外で作られる塩って実は岩塩や湖塩が多いのですが、日本で作られる塩はほぼ海塩です。
おすすめの海塩の選び方はこちら
- 製法(製造工程)は天日・平釜・噴霧乾燥など
- 原材料は海水のみ(一概には言えないけど…)
- 価格は高ければ高いほどいい塩!という訳ではないので、納得のいくものを
- 用途によって使い分けて、自宅ソルトBarを楽しむのも◎
これだけではわかりづらいですよね。

まずは、自宅のパッケージごと残っている塩を出して、一緒に見ていきましょう!
塩の分類や種類はどんなものがある?

塩の分類は大きく3つに分かれます。
- 精製塩
- 自然塩(天然塩)
- 再生加工塩
ですがこれは正式な呼び方というよりも俗称に近いです。

順番にどんなものか見ていきましょう!
精製塩は純度の高い塩!
精製塩は製造過程で、海水から塩化ナトリウムだけを取り出しているため、主成分の99%は塩化ナトリウムです。
ですから味は、純粋に雑味がなくしょっぱい。
そして製造過程で、海水に含まれる豊富なミネラルは除かれてしまっています。

不純物がないのはいいけど、せっかくならミネラルもとりたいよね!
- 精製塩は本当に悪なのか!?
-
精製塩=悪 …みたいな考えをお持ちの方もいらっしゃると思います。
でもちょっと待って下さい。
精製された白砂糖のように、精製塩には精製塩の輝ける場所があるのです。
- 魚や肉の下処理(余分な水分を出す)
- 魚や野菜のぬめり取り
- 加工食品の品質を保つ
- 消臭・掃除
精製塩はミネラル分が少ない分だけ、ナトリウム分が多いからこそなし得ることってたくさんあります。
いまお持ちの精製塩も、捨てないで活用してみてくださいね。
ざっくりした見分け方でいくと、1kg100円台で売っている塩はほぼ精製塩です。
理科の実験の大きな塩の結晶づくりには、精製塩が向いているかも。
自然塩はミネラルが残る塩!
自然塩、天然塩というジャンルはどういった塩のことを表しているのかというと…。
主に、『昔ながら(化学が発展していない頃)の方法』で作られていたり、『ミネラルが多く残る作り方』をされている塩のことを表します。
そういった製法で作られた塩は、塩化ナトリウムの他に、塩化カルシウム・塩化カリウム、塩化マグネシウムなどミネラル分をバランス良く含んでいます。
味は、にがりの成分が残っているため、苦味・甘み・しょっぱさがあり、この複雑さに旨みを感じます。

使う理由はやっぱり、おいしい!が一番。笑
また、採掘して砕くだけの『岩塩』もこれにあたります。
『湖塩』は湖水から作る場合、製造工程により精製塩よりのものもあるので、はっきり天然塩とは言えないですね。
いろいろある再生加工塩
再生加工塩とは、出来上がっている塩を水や海水で溶かして濃い塩水を作り、再び結晶化させた塩のことです。
にがりを添加することで、ミネラル分が少し残っています。
ただ、全部の再生加工塩が『にがりを添加して同じ製造工程で作っている』というわけではなく、『天日塩を溶かして煮詰めただけ』というシンプルなものもあります。

次にそのおすすめの再生加工塩も紹介しますね!
【塩の選び方】おすすめの塩4選


海塩を選ぶ時の産地ですが、外国産だからイマイチ、とかそういった話は聞いたことがありません。
「まぁでも日本人である以上、日本の海の塩の方が合うのでは?」という完全持論のもと、今回は国産、日本の海水を使ったおすすめ塩を集めました。
※ 下の緑のボタンに2025年に購入したおすすめ塩の栄養成分や標準価格などをまとめた比較表を載せています。
(色んなサイトでこの塩たちも紹介されていますが、その年の海洋成分によって左右されるので数値は若干違うことがあります)
- ◆おすすめ塩の比較表を見てみる◇
-
※2025年購入品の栄養成分を抜粋しています / 宗谷の塩は製造工程の記載がないためHPを参考
そして、なかなか同じ量の塩を食べるのは難しいですが、味見したり使ってみた感じを 5段階で表してみました。
海の精 あらしお
海の精
海の精 あらしお

天日と平釜の日本伝統海塩
製造工程:天日・平釜
しょっぱさ
/甘み /苦味 /しっとり- しょっぱいながらに甘みがあり、何のお料理にも合う!
- 粒は粗めでかなりしっとりな質感
- おにぎりや塩麹づくりにも最高
無添加愛好家からは「とにかくこれを買っておけば間違いない」とよく言われている塩です。
海の精商品は、塩こしょうから醤油から梅干しから…職場(ナチュラルショップ)でも大人気です。

職場のセールの日にはあたり前のようにカゴに入っている塩です
ですがかなりしっとりしているので、パラパラかけたい下ごしらえや、焼いている食材にかける…には不向きです。

そんな時は『海の精 あらしおドライ・海の精 やきしお』がおすすめ。
どこで買うのかが問題ですが、私が住むほどよい田舎のスーパーには売っていませんでした。他、自然食品店、ネットショップで購入可。
原材料:海水(伊豆大島)
内容量:240g(70g〜サイズあります)
宗谷の塩
田上食品
宗谷の塩

日本最北端の塩
製造工程:廃熱で濃縮・噴霧→加熱ドラムに近い製法
しょっぱさ
/甘み /苦味 /しっとり- ミネラル豊富なのにお安い
- 粒はパウダー状
- 手軽なミネラル補給に便利
ミネラル含有量が多いのに、かなりお手頃に買える塩です。
(低価格なのは、特許を取得した特別な製法で、ほぼオートメーションで製造しているからと推測します。)
パウダー状で、飲み物などにも溶かしやすいです。パウダー状の難点は、焼いている途中のお肉などに均一に振りかけるのがちょっと難しい…。

私はお米を炊くときに入れたり、おにぎり・手作りスポーツドリンク・塩麹などに使っています
どこで買うのかが問題ですが、人気もあり公式HPでは販売を中止してしまいました。
取り扱いのある食品店のネットショップや、北海道のアンテナショップ・物産展などで見つかるかも。
原材料:海水(日本)
内容量:100g(250gもありますが、そこまで割安ではない)
ぬちまーす
ぬちまーす
ぬちまーす(パウダータイプ)

海から水だけを引いた「命の塩」
製造工程:逆浸透膜・噴霧乾燥・低温焼成
しょっぱさ
/甘み /苦味 /しっとり- ほぼ海と同じ成分で、甘みもあるが苦味を感じる
- 粒はパウダー状でとけやすい
- 付け塩や飲み物に溶かして塩分補給にも
その種類豊富すぎるミネラル含有量から、2000年にはギネスに認定され、コロナ渦での健康ブームで有名になりすぎてしまった塩…。
価格も安くはないので、「もはやサプリメントだと思って使っている」という方もいるぐらいです。

人気すぎて最近では年1回ほどしか入荷しません…
基本的には付け塩として使うのが、塩のおいしさと食材のおいしさを活かす食べ方になるのではないかなと思います。
ご飯に入れて炊いたり、手作りスポーツドリンクに入れたりして手軽に家族のミネラル補給の一環として使えますよ。
どこで買うのかが問題ですが、最近では公式ネットショップでも週1回の販売(1家庭2個までという制限つき)でとても狭き門になってしまいました。
自然食品店、ネットショップで購入可。ちょっと価格が吊り上がっている可能性もあるのでよく確認してくださいね。
裏技としてふるさと納税があります。沖縄県うるま市に限度額までまだ余裕がある方はぜひ検討してみてください!
原材料:海水(沖縄県 宮城島)
内容量:250g(111gもありますが製造縮小中)
シママース
青い海
シママース

天日の再製加工塩
製造工程:溶解・平釜
しょっぱさ
/甘み /苦味 /しっとり- しょっぱいながらに甘みがあり、何のお料理にも合う!
- 粒は中粒で少ししっとりな質感
- 料理の下ごしらえ、茹でる用など手軽に使える!
にがりも添加せず立釜でもなく、平釜で作られたちょっと珍しい再製加工塩です。
ぼちぼちミネラルが残っています。
「高い塩を使うのはもったいないシーン」で大活躍。
低価格ですし普段づかいにピッタリなんです。

塩好きさんもシママースは家には必ずあると言っても過言ではない…
もちろん料理の味付けにもおいしく使えますし、特に脂の多い料理にさっぱり仕上げてくれるのでおすすめです。中粒なのでお漬物も作れます。
どこで買うのかが問題ですが、地域によってはスーパーには売っていることもあるようです。他、自然食品店、ネットショップで購入可。
原材料:天日塩(89.3%メキシコまたはオーストラリア)、海水(10.7%沖縄)
内容量:1kg(最近300gパックも出ましたが、1kgが断然お得です!)
最後は参考までに、製造工程についてです
塩の製造工程はいろいろある

昔ながらの塩の作り方、と言われて想像するのは塩田や釜で炊く姿ではないでしょうか?
塩田での天日は日本の気候では難しいので、スーパーに並ぶ多くの塩はイオン膜を使った製法がメジャーになっています。

天日はともかくイオン膜って?わからない言葉ばっかり…
全部覚える必要はもちろんありませんが、私はパッケージの工程用語を見てどうやって作られているのか大まかに分かるようになりました。

栄養成分表示と合わせて見ると、塩選びが結構楽しいですよ!
塩の製造を表す工程用語はなんと16種類!
気になる工程用語があれば、少し突っ込んだ説明がありますので緑色のボタンを押してみてくださいね。
◆濃い塩水を作る工程
- イオン膜
- 逆浸透膜
- 溶解
- 浸漬
- もっとくわしく!濃い塩水を作る工程
-
- イオン膜
- 海水や塩水を、電気を流した時に塩分だけを通す膜を使い濃縮する。効率よく塩化ナトリウムを濃縮できる。海水汚染の影響を受けにくい。
- 逆浸透膜
- 真水だけが通過する筒に、圧力をかけた海水を流し、真水と濃い海水に分ける。できた濃い海水は海洋成分比がほとんど変わらない。
- 溶解
- 天日塩、岩塩などを水や海水に溶かし、濃い塩水を作る。異物の除去もできる。
- (再生加工塩など)
- 浸漬
- 海藻などを塩水に浸し、海藻のうま味成分を溶かし出す工程。(藻塩)
- イオン膜
◆塩を結晶化させる工程
- 平釜
- 立釜
- 噴霧乾燥
- 加熱ドラム
- もっとくわしく!塩を結晶化させる工程
-
- 平釜
- 密閉されていない(形状は様々)釜で塩水を煮詰め、濃縮または結晶化させる工程。
- 立釜
- 完全密閉された蒸発缶で圧力をかけながら塩水を加熱し、濃縮または結晶化させる工程。粒の形が整った塩ができる。
- 噴霧乾燥
- 海水や塩水を噴射して水分を飛ばし、濃縮または結晶化する工程。パウダー状の塩ができる。
- 加熱ドラム
- 海水や塩水を加熱した金属板に吹き付けて水分を飛ばし、結晶化する工程。パウダー状の塩ができる。
- 平釜
◆塩の品質や形を整える工程
- 乾燥
- 粉砕
- 焼成
- 混合
- 洗浄
- 造粒
- もっとくわしく!塩の品質や形を整える工程
-
- 乾燥
- 塩の結晶の水分を蒸発させて、サラサラにする工程(天日乾燥は除く)
- 粉砕
- 塩の結晶を砕き、細かくする工程
- 焼成
- 塩の結晶の成分を加熱により変化させて、サラサラにする工程。やきしおなど。
- 混合
- 添加物を加えたり、違う塩を混ぜたりする工程。味付き塩など。
- 洗浄
- 天日塩や岩塩に含まれる砂や泥などを水や塩水で洗って取り除く。過剰のにがり分などを除く。軽め〜しっかりと洗浄レベルは様々。
- 造粒
- 塩の結晶に圧力や添加物を加えて様々な形にする工程。顆粒の塩など。
- 乾燥
◆岩塩や湖塩を掘り出す工程
- 採掘
- もっとくわしく!岩塩や小潮を掘り出す工程
-
- 採掘
- 岩塩や湖塩を掘り出す、または採取する工程。
- 採掘
そして忘れてはいけない工程がもうひとつ。
何度も出てきた工程である【天日】は、濃い塩水を作る工程+塩を結晶化させる工程どちらも兼ねた工程となります。

天日にもいろいろあって、塩田式、ハウス内、タワー式、循環式…など様々です

『食用塩公正取引委員会』のHPにとてもわかりやすく書かれているのでぜひチェックしてみて!
【塩の選び方】まとめ

塩の選び方のおさらいです!
- 塩は基本的に無添加だが、まれに固着防止剤などが使われている塩もある
- 味付きの塩はうま味調味料が入っているので、基本の調味料として使わない
- 塩は無機物のため、オーガニックの塩は存在しない
- 塩の表示が適正だと認められた証『塩公正マーク』も安心の指標になるので探してみよう
- 精製塩…主成分の99%は塩化ナトリウムであまりミネラルは残っていない
- 自然塩(天然塩)…主に天日・平釜・噴霧乾燥などで作られ、ミネラルがバランスよく含まれた塩
- 再生加工塩…塩を元に溶かして作り直した塩
- 製法(製造工程)は天日・平釜・噴霧乾燥など
- 原材料は海水のみ
- ミネラルが多い塩は手間がかかる分価格も高いので、用途によって使い分けるのがおすすめ◎
私は今の職場(ナチュラルショップ)で働くまで、自分が使っている塩や砂糖が何者なのか考えたこともありませんでした。
ぜひ上記の塩を見かけたら、味見してみてください。その違いにおどろきますよ〜!
お子さんの水筒に、ミネラルたっぷりの塩をひとつまみ仕込めば、熱中症予防になりますし、のどごしも不思議とまろやかになります。
夏場は特に大活躍しますよ!
料理によって塩を使い分けると楽しいですし料理上手な気分になれますので、ぜひ試してみてくださいね。
最後までお付き合いありがとうございました!