食品添加物は危険となぜ言われる?大人は良くても子供の体への負担は?
なぜ離乳食に使うだしは、ほんだしを薄めるだけじゃだめなの?
和風だしを取るのに便利で有名な商品、ほんだし。
赤ちゃんへの離乳食には、だしはカツオや昆布でとりましょう、との指示が…。
味が濃いなら薄めたら良いのでは?なぜ?と思いますが、塩分のほか、添加物の観点からも危険性がありNGです。
添加物は安全な量を定めて使用しているので健康上問題ないとは言いますが…。
危険視される原因として、病気を引き起こす可能性や、味覚のマヒ、添加物の消化・分解による身体への負担があるなど、大人はよくても子どもにいい影響がありません。
今回は添加物がなぜ危険と言われるのかに注目し、添加物とは何か。どんな役割があるかを紹介します。
怖いキーワードがたくさんですが、リスクを軽減できる方法もあるのでどうか恐れすぎずに読んでほしいです。
食品添加物が危険となぜ言われているの?
『添加物=危険』で思い浮かぶのは、「発がん性がある」とかだと思います。
これからお話することの大前提は、すべての病気の原因が添加物ではないということです。
タバコやお酒など生活習慣、睡眠・運動不足、加齢、遺伝などいろいろあって残念ながら病気になってしまう。
でも「病気と添加物との因果関係がわかっていないことも多い。こういう話もあるんだよ」ぐらいの気持ちで聞いてくださいね。
からだへの負担が大小様々あるから
添加物が身体に入ると、
- 分解するのにビタミンやミネラルを使うため、代謝が悪くなる
- 解毒作用のある肝臓、ろ過作用のある腎臓に大きな負荷がかかる
- 腸内環境が悪化し、アレルギーを引き起こす、便秘がちに、セロトニンが減る
- 活性酸素が発生し、これが健康に害を及ぼすとも言われている
特に私が気になる影響は、現代人に多い『ミネラル不足』と『便秘』です。
ミネラル不足により代謝が悪くなると、太りやすい身体になりますし、体温低下につながり免疫力も低くなってしまいます。
カップ麺ばかり食べている人が太るのは、カロリーや脂肪分だけが原因じゃないのかも…
ママであればただでさえつらい産後、免疫力が低くなるとカゼをひきやすくなったりと体調不良に拍車がかかるでしょう…。
産後の貧血(鉄不足)→からの免疫力低下は、私も身を持って体験済みです…。
そして、体の毒素の75%は、なんと便によって排出されます!
デトックスの基本の基である便が出ないなんて、考えなくてもよくないことがわかると思います。
海外ではアウト 日本ではOK…
日本は使用してもいい添加物の規制や、使用量が海外に比べかなり緩めです。
添加物ではありませんが、かつおぶしはEU諸国(ヨーロッパ)と中国へは輸出できません。
かつおぶしを作る過程で発生する物質が発がん性物質とみなされてしまう国があり、その国の輸入の規制に引っかかってしまうからです。
確かに外国人と日本人では体質がぜんぜん違うから、同じように比べられるものではないかもしれません。
それでも同じ人間だし、海外では危険だからNGな添加物なら、なんかやっぱり嫌だなぁ…
複合摂取によって起こるリスクがあるかも
添加物の複合摂取による健康被害の可能性は、未だ明らかになっていません。
複合摂取というのは、複数の添加物を同時に食べること。
市販のカレールーで作ったカレーライスを食べたら、あっという間に複合摂取に…。
結局安全と言われる添加物の種類や使用量って、ほとんど1種類ずつでしか実験していないんです。
合成添加物の多くは『指定添加物』と呼ばれ476種類もあり、掛け合わせなんてとほうに暮れるパターン数になるし、調べるわけ無いですよね。
こうなったら、安全って、誰が保証してくれるんでしょうか。
厚生労働省も、複合摂取の影響(危険性)については明言を避けています。
食べ物本来の味がわからなくなる
これは子どもにとって食育の観点から、あなどってはいけないポイントですね。
でも今まで特に添加物を気にしていなかったみなさんも意外と感じているはず。
ゼロカロリー食品とかジュースやチューハイ(特にノンアル)、まずくないですか?
これは人工甘味料のせいですね〜。シンプルにもう脳が「美味しくない」って言ってませんか。笑
あと昔は大好きだった曲がった甘じょっぱいおせんべい。
今ではなぜか舌の上にエグみをめちゃくちゃ感じます…。
こういった違和感は、基礎調味料(さしすせそ)を少し整えだすと感じやすくなります。(なっちゃいます。)
実はそんな私もほんだしを使っていた時期がありました!
ずっと使っていれば、さっと溶かすだけの手軽さは、すぐに手放せない気持ちはめちゃくちゃわかります…。
ですが、ほんだしをやめて無添加だしパックでだしをとっていると、2階から降りてきた夫が「おだしのいい匂い〜」って自然に口にしてました。
食品添加物は危険なのか安全なのか
国は安全って言うし、自然派は危険視してるし…どっちなの!
じゃあ危険なのか安全なのかよくわからないものを、なぜ使っているんでしょうか?
添加物ってどんなもののことを指すのでしょうか。
食品添加物とは?
食品添加物とは、食品を作る過程で使用される様々な物質のことです。
現在添加物は、4種類に分類されています。
- 指定添加物…(国が指定した添加物、合成も)
- 既存添加物…(天然)
- 天然香料…(天然)
- 一般食品添加物…(天然)
大昔、冷蔵庫のなかった人間は、食品を長持ちさせるための工夫をしていました。
肉や魚を塩漬けにして狩りに出かけたり、その時期にしか取れない作物を梅干しなど漬物にしたり。
大豆は余すところなく使い、にがりで豆腐を作ったり。色付けも、植物の葉や花や実などを使ってしていました。
そして現在、石油由来の発色の良い着色料をはじめ、遺伝子組み換え食品などから様々な合成添加物が作られています。
たしかに、人間の知恵と結晶、だけど…。
天然がすべて安全!というわけではありませんが、どうしても『化学合成』というところも引っかかり、不安が残りますよね。
保存、色付け、固めるため…の他には、どんな要素で添加物が必要なのでしょうか?
食品添加物は何のために使うの?
添加物のおかげで、昔では考えられない食材が長期保存できるようになったのです。
添加物には、こんな役割がありますよ。
- 安全性を保つ
- 味や香りを強調する
- 食感や風味をよくする
- 栄養価を高める
- 食品を作りやすくする
よく言われているのは①〜④ですが、私は⑤も足したい。
それぞれカンタンに解説していきます!
①安全性を保つ
安全性とは、主に食中毒から消費者を守ることを指します。
これはある意味、添加物の最大メリットであり恩恵でもあります。
忙しい毎日、賞味期限は長いほうがありがたいですよね!
ただし、天然由来のものもありますが、ちょっと危険と言われる合成された添加物も多いです。
- 例えばどんな添加物?
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酸化防止剤、保存料、酸味料、防カビ剤、殺菌剤、日持向上剤などがこれにあたります。
様々な添加物を使い、食品を長持ちさせます。
酸っぱいものは保存が効くので、少し酸味を入れたりします。たとえば茹でうどんでは、冷凍は感じませんがチルド(冷蔵)のうどんってすこし酸っぱくないですか?
輸入のフルーツには必ずと言ってよいほど防カビ剤が塗られています。外国産のフルーツを皮ごと食べるのは控えたほうがいいですね。
メーカーによりますが、カット野菜は実は濃度を変えて4回ほど漂白材を入れて殺菌・洗浄します。当然しおれるのでパリッとさせる添加物を後から更に使います。
②味や香りを高める
いや…食品を食べて添加物をめちゃ不自然に感じることはあるけど、正直美味しいと思うこともあるよ。
安い原料をなんとか美味しくするんだから、ある意味企業努力ではありますよね。
えらそうに私もいろいろ言ってますが、添加物入りの食品も、ほどよくいただきます。
肌感覚でいやだなあ、おかしいなぁと思う食品は買うのをやめていっています。
そうですね…例えばいちご牛乳を思い浮かべてみてください。
- いちご牛乳は普通どうやって作る?
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実際にいちごと、砂糖と、牛乳を入れてつぶしたりミキサーにかけてジュースを作ってみてほしいんです。
絶対に、売ってるようないちご牛乳にはならないです。笑
着色料で色をピンク強めにして、香料でいちごの香りを強調して、増粘剤でちょっととろみをつけるんですよね。
そして長持ちするようになんやかんや保存料と、クリーミーにするために入れた植物油脂などが均一に混ざるように乳化剤とかを入れます。
そうすると子どもも大好きないちご牛乳の出来上がり…笑
いちご牛乳は本来なら材料は3つで十分なはず…。
もうひとつ。なんでもとにかくいろんな食品に入っている『アミノ酸』
- 味の素をはじめとする、うまみ調味料の正体
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よく勘違いされていますが、アミノ酸は栄養素ではなく、味の素をはじめとする、『うま味調味料』といわれるものです。
ひとふりで料理が簡単に美味しくなってしまいます。便利ですよね!
しかしこれは錯覚に近いもの。
アミノ酸の入った食品を食べると、このうまみは中毒性があり、また食べたい!につながります。
簡単に「おいしい!」と思わせられています。なんかくやしい。
最後に。日本人の良いところであり悪いところ。
見た目を良くする『着色料』や『発色剤』
- 着色料・発色剤を入れないとどうなる?
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ハムやベーコン、たらこ、魚肉製品なんかは、着色料や発色剤を入れないとどうなるか?
正直「傷んでない…?」と思ってしまうほど本来なら汚い色をしています。笑
特にたらこと魚肉ソーセージ。ほんとにどす黒い。笑
傷んでいるように見えたら、確かに買わないかも…。
メーカーも、そのままでは売れないからきれいな色にする。
でも着色しなくても味は美味しいし、品質には変わりないんですよ。
結局、本来要らないものが入っている状態です。
③食感や風味を良くする
無添加食品って、液体だとなにかと沈殿しているものが多いんです。
それにはこんな添加物を使っていないから。
- 脂肪と液体を均一に混ぜるための『乳化剤』
- 形を保ったり、舌ざわりを良くする『安定剤』
- とろみをつけ、絡みやすくする『増粘剤』
- 麺をもちもちにする『かんすい』
- 爽快感を与える『酸味料』 など
アイスクリーム、ドレッシング、ラテやジュースなどを製造するときに、これらの添加物は欠かせないです。
ただ、よく言われているのは、無添加食品はごまかしが効かないから素材がいいもので作られていて、結果おいしい物が多い。
これは一理あると思います!
④栄養価を高める
実は、栄養強化を目的として使用した添加物は、パッケージへの表示が免除されます。
ただし、特別用途食品、機能性表示食品、赤ちゃん用の粉ミルクや液体ミルクは表示が必須です。
ビタミン類、ミネラル、アミノ酸類がこれにあたります。
※このアミノ酸類はうま味調味料とは別物です
ドラッグストアーなどでよく見る健康食品コーナーの一角にある食品たちが栄養強化されているものです(一例)
「レモン○個分のビタミンC!」とかは、本当に○個使ってくれているわけではなく、栄養強化されている食品なことが多いです。
⑤食品を作りやすくする
食品工場での製造において、こんな手助けをします。
- 『消泡剤』で泡立ちを抑える
- 『乳化剤』で材料を混ぜやすくする
- 『安定剤』で形を維持する
- ケーキなど卵の力で膨らむものを『膨張剤』でカバーする
わかりやすいのは漬物です。漬物は昔ながらの作り方であれば、発酵食品です。
- たとえばたくあんは本来どうやってできるの?
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たくあんなんかは、まず原料の大根を1ヶ月ほど天日で干すのですが、添加物液に3日ほど浸すだけで、2週間干したぐらいのしなび具合にできます。
それを調味液に浸すと、時間をかけて発酵したような味にできます。
本来、大根は発酵する過程で黄色く変色しますが、もちろん発酵していないので着色料で鮮やかな黄色にします。
通常なら数ヶ月以上かけて作り上げるものを、添加物で味と色を良くして、皆に好かれるように甘みをつけて、長持ちするように保存料を入れて…
なんと10日ほどで『たくあんらしきもの』が完成してしまうんです。
定食屋さんでは漬物ついてても食べなかったけど、実家で母の作った粕漬けをついつい食べちゃうのはそういうことだったのか…笑
食品添加物の危険度は量による!?
よくご存知ですね。たしかにそうなんです!でもずるい言い方ですが、許容量は、人によるんです。
同じ人間でも、小さな体の子どもはどうでしょうか。身体の弱い人は?
毎日摂取しても問題のない量(ADI)
無害と確かめた量(無毒性量) ÷ 100 = 毎日食べつづけても安全な量(ADI:1日摂取許容量)
添加物それぞれに、まずラットやマウスで実験をし、上記の無毒性量を出します。
無毒性量の100ぶんの1が、この「毎日食べ続けても安全」とされる量で、ADIと呼ばれています。
日本食品添加物協会や厚生労働省の主張としては、「このADIよりもずっと少ない量を使って食品を作るよう、法律で定められているので安全。」
とのことです。
それならやっぱり、そんなに気にしなくていいんじゃない…?
子どもは小さな大人ではない
でもやっぱり、子どもの身体は小さいですし、安全な量も変わります。
添加物をとると、最初にもお伝えした腸内環境の悪化につながりますし…。
便秘、アレルギー、体調、炎症、幸せホルモンに関わる腸。
腸内細菌そう(腸内に住んでいる細菌のこと)は、3歳ぐらいまでに形成され、ある程度一生変わらないとされています。
さらに、成長・発育にかかわる大事な栄養素のビタミン・ミネラルが添加物によって無駄遣いされるなんてもったいないですよね?
なので3歳までは、添加物や砂糖のとりすぎなんかは、親が管理してあげるといいかもしれません。
逆を言えば、3歳までの食生活に気を配れば、ある程度の毒素に耐えられる体作りにつながるとも言えます。
そして、このことを知っているだけでもう合格点の80点です!
そうは言ってもママは忙しい…
忙しくて頻繁に買い物に行けなくても、長持ちする加工食品のおかげで生活が成り立っているのも事実…。
添加物の危険性についてなんとなくわかったけど、全部手作りなんて無理…
そうですよね!ほんと〜〜〜〜に、ごもっともです。
1才後半の子どもがいる我が家も、定時帰りの夫がいてギリギリまわって(?)いますし、掃除も全く追いついていません。笑
忙しい日が続くと、料理も楽しくないと思う自分や、汚部屋を見て自己嫌悪におちいる日も多々あります。
体調の良くない日でも手作りにこだわっていたら倒れてしまうので、できる範囲で取り入れてもらえたらいいと思います。
毎日使う食材から変えたり、出来ない日は割り切って加工食品使ったっていいし、申し込めば何もせずとも宅配されるオーガニックのミールキットも今は充実しています。
自分の生活スタイルに合わせて無理なくやりくりして行こう!
まとめ
- 甘いものばかり欲しがる、濃い味好きになるなど味覚の崩壊へ
- 腸内環境悪化によるアレルギーや便秘など様々な不調
- ミネラル、ビタミン不足による成長の阻害
- 食中毒から消費者を守る
- 忙しい現代人に合わせて保存をきかせる
- 質の良くない食材でもおいしくする
- バランスよく食べることが難しい人のために、栄養価を高める
添加物がなぜ危険と言われているか、皆様に伝わったでしょうか?
個人的には添加物は病気の原因になるから危険だ!うんぬんより、味覚がおかしくなることと…
それから、危険視すべくは添加物自体の毒性よりも、分解のために奪われてしまうミネラル不足。これも注意したいポイントですね。
一応使用量を守って食品は作られているわけですし、やみくもに添加物を恐れず、でも不用心にはならないでほしいと思います。
なぜかと言うと、知りすぎるとほんとにスーパーで何も買えなくなっちゃいますから…。
でも「今までさんざん食べちゃった…」と不安にならなくて大丈夫です。
添加物は料理の下ごしらえでかなり減らせたりします。(これはまたの機会に!)
少しでも減らしてみようかな?と思ったら、まずは基礎調味料(さしすせそ)を無添加にしてみることがおすすめ。
それと、「なんか美味しくないな…」って食品からやめてみればいいのかなと思います。
- 食品の裏側(安部 司 著)東洋経済新報社
- 出展:厚生労働省ホームページ (https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuten/qa_shohisya.html)